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神戸地方裁判所 昭和48年(ワ)727号 判決 1975年1月20日

原告

横山津矢子

ほか四名

被告

渡辺恒久

ほか一名

主文

一  被告らは各自原告横山津矢子、原告横山佳規及び原告横山恵子に対し、それぞれ金五八一万七、八一五円及び内金五三一万七、八一五円に対する昭和四八年五月三〇日以降(ただし、被告渡辺恒久においては同年七月二〇日以降)、内金五〇万円に対する昭和五〇年一月二一日以降各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは各自原告横山竹夫及び原告横山ことゑに対し、それぞれ金五五万円及び内金五〇万円に対する昭和四八年五月三〇日以降(ただし、被告渡辺恒久においては同年七月二〇日以降)、内金五万円に対する昭和五〇年一月二一日以降各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

三  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

四  訴訟費用は、原告横山津矢子、原告横山佳規及び原告横山恵子と被告らとの間においてはこれを二〇分し、その一を右原告らの、その余を被告らの各負担とし、原告横山竹夫及び原告横山ことゑと被告らとの間においてはこれを二分し、その一を右原告らの、その余を被告らの各負担とする。

五  この判決の主文第一、二項は仮に執行することができる。

事実

第一当事者の申立て

一  原告ら

(一)  被告らは各自原告津矢子、原告佳規及び原告恵子に対しそれぞれ金六〇〇万円、原告竹夫及び原告ことゑに対しそれぞれ金一〇五万円及びこれに対する訴状送達の翌日(被告渡辺につき昭和四八年七月二〇日、被告会社につき同年五月三〇日)以降完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

(二)  訴訟費用は被告らの負担とする。

(三)  仮執行宣言(第一項につき)。

二  被告ら

(一)  原告らの請求を棄却する。

(二)  訴訟費用は原告らの負担とする。

第二原告らの請求原因

一  事故の発生

訴外横山薫(以下亡薫ともいう。)は次の交通事故によつて死亡した。

(一)  日時 昭和四七年一二月二日午後八時頃

(二)  場所 大阪府摂津市大字一津屋一一七一番地先府道中央環状線道路上

(三)  被告車 軽四輪貨物自動車(六大阪よ二三六七号)

運転者 被告渡辺

(四)  原告車 普通貨物自動車(神戸一く三二二五号)

運転者 亡薫

(五)  被害者 亡薫

(六)  態様

原告車を停止させその後方にまわつて積載している鋼材の荷くずれとその先端に取り付けてある赤色灯火の状態を点検していた横山薫の背後に被告車の左前部が衝突し、右薫は鋼材で右胸部を強打したうえ路上に転倒して頸椎骨折、頭部・顔面・前胸部打撲傷の傷害を受け、同日午後八時三〇分頃中川外科内科(大阪府茨木市玉櫛二丁目所在)において頸髄損傷により死亡した。

(七)  原告らの身分関係(相続)

原告津矢子は亡薫の妻、原告佳規及び原告恵子は同人の子であり、その相続人の全部である。そして原告竹夫は亡薫の父、原告ことゑはその母である。

二  責任原因

被告らは、次の理由により、本件事故によつて原告らに生じた損害を連帯して賠償する責任がある。

(一)  被告渡辺は、多量に飲酒し完全な酩酊状態に陥つたうえ、進路前方の注視義務を怠つて本件事故を惹起させたものであるから、民法七〇九条による責任。

(二)  被告会社は、本件事故当時被告車を所有し、これを自己の被用者である被告渡辺をして自社商品等の運搬のため運転させ、もつて自己のために運行の用に供していたものであるから、自賠法三条による責任。

三  損害

(一)  逸失利益の相続

亡薫は、事故時(死亡時)三〇歳の健康な男子で、横山運送有限会社に勤務し、その取締役として月収金二三万九〇九円(年間賞与金二二万円を含む。)を得ていたから、右事故に遭遇しなければ、六三歳に至るまでの三三年間に亘り右金額を下らない収入を得て稼働できたものというべきである。そこで同人の生活費を収入の四割として、右逸失利益の現価をホフマン式計算によつて算出すると、金三、一八九万二、五〇五円となるので、同人の相続人である原告津矢子、原告佳規及び原告恵子は、それぞれ右逸失利益の三分の一に相当する金一、〇六三万八三五円宛の賠償請求権を相続した。

(二)  慰藉料

亡薫は、中学卒業後、個人で運送業を営んでいた父の原告竹夫の片腕としてその事業規模の拡大に尽力し、前記横山運送有限会社の取締役となつて熱心に仕事をし、原告竹夫からもその後継者として将来を嘱望され、また家庭内にあつては、妻と幼少の子供たち(長男の原告佳規は五歳、長女の原告恵子は二歳)から成る一家の大黒柱となつて生計を支えていたものである。このような亡薫を失つた原告らの心痛はまことに甚大で察するに余りあるにもかかわらず、被告らは何らの誠意も示さない。よつて原告らに対する慰藉料としては、原告津矢子につき金三〇〇万円、その余の原告らにつきそれぞれ金一〇〇万円が相当である。

(三)  損害の填補

原告津矢子、原告佳規及び原告恵子は自賠責保険から金五〇〇万円の給付を受けたので、右各原告の損害額から金一五〇万円宛を控除するのが相当である。

(四)  弁護士費用

被告らに負担させる弁護士費用としては、原告津矢子、原告佳規及び原告恵子につきそれぞれ金一〇万円、原告竹夫及び原告ことゑにつきそれぞれ金五万円が相当である。

四  結論

よつて、原告らは、被告ら各自に対し、右(一)及び(二)の合計から(三)を控除しこれに(四)を加算した金額のうち、原告津矢子、原告佳規及び原告恵子はそれぞれ金六〇〇万円、原告竹夫及び原告ことゑはそれぞれ金一〇五万円並びに右各金員に対する訴状送達の翌日以降各完済に至るまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

第三請求原因に対する被告らの答弁並びに主張

一  請求原因に対する答弁

(一)  請求原因一の事実は認める。

(二)  同二の事実中、被告会社が事故当時被告車を所有していたことは認めるが、その余の事実は争う。

(三)  同三の事実中、原告津矢子外二名がその主張する金額の強制保険金の給付を受けたことは認めるが、その余の事実は争う。

二  被告渡辺の責任と被害者の過失

被害者は、車両の後方に三・一メートルも突き出ている制限外の長大物件を積載した原告車を駐車禁止の地点に駐車させ、しかもその駐車位置は道路左側端ではなく四〇センチも中央寄りであり、また現場が高架の近畿自動車道の下にあつて事故当時は暗かつたにもかかわらず、被害者自身の佇立か或は長尺の積荷によつて原告車の後部右側の車幅燈及び尾燈を遮蔽したのみならず、道路交通法規により制限外の長大物件積荷に付けるべき赤色燈火を備えず、かつ赤色信号燈による合図等後続車両の安全を期するための適当な措置を講じなかつたのであるから、極めて重大な過失があるといわなければならない。ところで、被告渡辺は、進路前方に駐車中の原告車を避けるため、右側車線の後続車両が自車を追抜いたあとで右に車線変更しようとしたが、右のような事情で突然眼前に原告車の長尺積荷とその手前に佇立する人影(被害者)が見えたので急いで衝突回避措置をしたが及ばなかつたものである。従つて、被告渡辺が被害者を発見したときはすでに衝突が不可避であり、本件事故はこのような不可抗力ないしは被害者の重大な過失によるものというべきであるが、更につきつめて言えば、本件道路は、事故現場地点を含む約三五〇メートルの区間のみが三車線で、その余は二車線となつているため、二車線区間を北進中の運転者に油断心を与えるもとになつており、かかる道路自体の欠陥が事故を誘発したものと考えられる。もつとも、被告渡辺が事故当時酒気を帯びていたことは事実であるが、同人は常日頃相当の酒量を誇り、当日の飲酒量もごくわずかであつたから、正常運転にはなんら支障がなかつたものである。

三  被告会社の責任

被告渡辺は被告会社の代表取締役山野良一の知人で、同人の許に訪ねて来てはいたが、被告会社とは何ら雇傭関係がなく、そもそも被告会社は当時まだ開業していなかつたのであつて、被告渡辺は被告会社の専務取締役安田隆行が保管していた被告車のキーを机の抽出しから勝手に取り出して無断運転をした挙句本件事故を惹起させたものであるから、被告会社は運行供用者責任を負わないというべきである。

第四原告らの答弁

被告ら主張の前記第三の二及び三の各事実は争う。

第五証拠関係〔略〕

理由

一  事故の発生

請求原因一の事実は当事者間に争いがない。

二  責任原因と被告者の過失

(一)  被告渡辺の責任

〔証拠略〕を総合すると、本件事故現場は、守口方面より茨木方面へ通じ、高架の近畿自動車道と平行している平坦なアスフアルト舗装の歩車道の区別のある中央環状線北行車線の中、鳥飼大橋北交差点の北約三五〇メートルの地点であること、現場附近の車道は三車線から成り、その幅員は第一車線が五・七メートル、第二車線が三・八メートル、第三車線が三・六メートルであつて、ほぼ南北に直線状に延びているため見とおしは良好であること、附近は夜間でも車両交通量が多く(事故発生後四〇分ほどして行われた警察官の実況見分時の計測では一分間に一九台)、大阪府公安委員会により車両の最高速度は六〇キロメートル毎時に制限され、午前八時から午後八時までの間駐車禁止区域に指定されていること。亡薫は、大阪市から西脇市まで鋼材を運搬するため、所轄警察署長の許可を得たうえ、いすず四四年式事業用普通貨物自動車である原告車(最大積載量一一トン、車長一一・四〇メートル、車幅二・四九メートル、車高三・〇五メートル)の荷台に木の支柱を組みその上に、長さ約一六メートルのアーチ状のH型鋼材を上にし、長さ約一三メートルのC型鋼材を下にし、車両後部から水平距離でH型鋼材が三・一メートル、C型鋼材が二・六メートル突き出るようにして積載し、ワイヤーで縛り付け、鋼材の先端に赤色灯を付けて大阪を出発し、本件道路を北進したところ、途中で積荷のワイヤーが緩み荷くずれを生じその点検・修正の必要があつたため、事故発生の数分前に事故現場に至り、第一車線の歩道縁石から四〇センチ離れた位置に原告車を停止させたこと、そして直ちに亡薫が原告車の後部にまわり、同乗の訴外吉沢一夫が積荷の上に乗つて右点検・修正の作業を始めたこと、ところで原告車の停止位置の前方約三〇メートルの地点に照明灯はあるが、原告車の後部はうす暗く、前記C型鋼材の先端が地上一・一五メートル附近まで垂れ下り、かつその後方附近で亡薫が佇立し作業をしていたため、原告車の後部右側の車幅灯及び尾灯は後方より接近する運転者にとつて一目瞭然とはいえない状態であつた(もつともH型鋼材の先端に取り付けた前記赤色灯は明瞭に認識できた)こと、一方被告渡辺は、酒気を帯びたうえ、被告車を約五〇キロメートル毎時の速度で運転して本件道路の第一車線(なお、鳥飼大橋北交差点までは二車線となつている)を北進中、進路前方約三〇メートルの地点に停止している原告車を発見し、折柄右側車線に後続車両があつたのであるが、当該車両が自車を追抜いた後でも右に車線変更し衝突を回避する余裕があるものと軽信し、前同一の速度で進行したため、未だ当該車両の追抜きが終らないうちに、原告車に接近しすぎたことに気付くとともに、前記作業中の亡薫を約一〇メートルの距離に発見し、急いでハンドルを右転把して急制動の措置をとつたが、右側車線の車両のため十分右に転把することができず、自車左前部を同人の背部に衝突させるに至つたこと、以上の各事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

右認定の事実によれば、被告渡辺には、進路前方を注視し、右側後方の車両との安全を確認して減速徐行もしくは急停止の措置を講ずべき注意義務があるのにこれを怠つた過失があることは明らかであるから、同人は民法七〇九条に従い、本件事故によつて亡薫の遺族である原告らに生じた損害の賠償責任を負うものというべきである。

(二)  被告会社の責任

被告会社が事故当時被告車を所有していたことは当事者間に争いがないから、事故時における被告会社への運行支配・利益の帰属が事実上推定されるところ、本件全証拠によつても、その推定を打ち破る喪失事由を認めるに足りない。かえつて、〔証拠略〕によれば、被告会社は日用品雑貨類の販売を目的として昭和四七年四月に設立された会社であるが、被告渡辺は、被告会社の代表取締役である山野良一と高校の同級生であつたところから、同年一一月初め被告会社の経営する「スーパー・エイト」に臨時雇として勤務するようになり、池田市の自宅からの通勤には同僚の訴外森下の自家用車に便乗していたこと、ところで被告会社は事故発生の数日前に自家用のため被告車を購入し、強制保険の保険料も納付したのち、これを自社の倉庫内又は店舗敷地に置き、そのキーを事務の机の抽出しに保管していたこと、被告渡辺は、事故当日の仕事を終えたのち、前記森下が得意先まわりをしていてその自家用車に便乗できないため、たまたま空いていた被告車で帰宅することとし、翌日には返還する考えで、被告車を借用する旨の伝言を記載した紙片を専務の机の上に置き、その抽出しからキーを取り出し被告車を運転して帰宅途中本件事故を惹起させたものであること、同人は翌四八年一月に被告会社に本採用となつたことが認められ、反対の証拠はない。この事実によれば、被告渡辺の被告車乗り出しによつて被告会社の被告車に対する運行支配は失われなかつたものと認めるのが至当である。そうとすれば、被告会社は、自賠法三条に従い、被告渡辺と同様の賠償責任を免れないものといわなければならない。

(三)  被害者の過失

前認定事実によれば、被害者である亡薫は、三車線道路の左側端とはいえ、夜間、車両通行の多い道路に制限を超える長大物件を積載した普通貨物自動車を停止させ、危険な車両後部にまわつて路上で積荷の点検・修理をするのであるから、後続車両に対する安全を十分確認して危険を防止しつつ作業を行うべき注意義務があつたものと認むべく(原告車には亡薫の他に一名の同乗者がいたのであるから、かかる措置をとることは十分可能であつたと考えられる。)、これを怠つた被告者の過失が事故発生を誘発したことは否定できないところである。被告らは、さらに被害者の駐車禁止違反、駐車方法違反の過失をも主張するが、仮に原告車の停止が停車にとどまらず駐車に該るとしても、前認定事実に照らせば、右の点自体を過失と捉えることは難しいし、その他被害者の過失として主張する点も、事故態様が前述のごときものであつてみればこれまた採用の限りではない。

以上の諸点を考量すると、被告渡辺と被害者の双方の過失割合は、概ね七対三と認め、被告らの賠償額を定めるに当つては、損害の三割を控除するのが相当である。

三  損害

(一)  逸失利益の相続

〔証拠略〕それに当裁判所に職務上顕著な厚生省第一二回生命表によると、亡薫は昭和一七年四月一七日生れ事故当時満三〇歳七か月の健康な男子であつて、その家族としては妻の原告津矢子と五歳の長男(原告佳規)及び二歳の長女(原告恵子)がいたこと、亡薫は当時父の原告竹夫が代表取締役をしている横山運送有限会社の取締役として勤務し、一か年合計金二三四万円の給料賞与等の収入を得ていたが、同人の余命はなお四〇年を下らず、その健康状態及び死亡時の職業等からすれば同人が六三歳に達するまでの三三年間に亘つて(逸失利益の計算上死亡時の年齢を満三〇歳として扱う。)右の程度の収入を得て就労が可能であつたものと認めるのが相当である。そして右認定事実によれば、亡薫の右収入のうち生活費に充てられる割合は、原告らの自認する四割を超えることはないものと推認されるので、これを基礎として亡薫の逸失利益の現価をホフマン式(年毎)計算により年五分の中間利息を控除して算出すると、次の算式により、

2,340,000円×(1-0.4)×19,1834=26,933,493円

金二、六九三万三、四九三円となるが、同人の前記過失を斟酌すると、賠償額としては金一、八八五万三、四四五円が相当である。ところで、原告津矢子、原告佳規及び原告恵子は、同人の相続人としてその権利義務を各三分の一の割合で相続により承継したものというべきであるから、右原告三名が取得した亡薫の逸失利益賠償請求権は、それぞれ金六二八万四、四八一円となる。

(二)  慰藉料

前認定のような原告らと亡薫との身分関係証(〔拠略〕によれば、原告竹夫及び原告ことゑは亡薫の実父母であることが認められる。)、その家族構成、年齢、社会的地位、本件事故の態様、被害者の過失、その他本件に顕われた諸般の事情を総合勘案すると、本件事故によつて亡薫を失つたことに対する慰藉料としては、原告津矢子、原告佳規及び原告恵子につきそれぞれ金七〇万円、原告竹夫及び原告ことゑにつきそれぞれ金五〇万円が相当である。

(三)  損害の填補

原告津矢子、原告佳規及び原告恵子が自賠責保険から金五〇〇万円の給付を受けたことは当事者間に争いがないから、その三分の一に相当する金一六六万六、六六六円がそれぞれ右原告三名の損害に充当されたものというべきである。

(四)  弁護士費用

そうすると、被告らは各自原告津矢子、原告佳規及び原告恵子に対しそれぞれ右(一)及び(二)の合計から(三)を控除した残金五三一万七、八一五円、原告竹夫及びことゑに対しそれぞれ右(二)の金五〇万円の各賠償をなすべき義務があるところ、被告らがその任意支払をしないため、原告らが弁護士である本件訴訟代理人に委任して本訴を提起追行したことは本件記録上明らかであるから、本件事案の内容、請求額、認容額に鑑みると、被告らに負担させる弁護士費用としては、原告津矢子、原告佳規及び原告恵子につきそれぞれ金五〇万円、原告竹夫及び原告ことゑにつきそれぞれ金五万円が相当である。

四  むすび

以上判示の次第で、原告らの本訴請求は、被告ら各自に対し、原告津矢子、原告佳規及び原告恵子においてそれぞれ金五八一万七、八一五円及びこれから弁護士費用金五〇万円を控除した残金五三一万七、八一五円に対する訴状送達の翌日(被告渡辺につき昭和四八年七月二〇日、被告会社につき同年五月三〇日)以降、右弁護士費用に対する本判決言渡の翌日に当る昭和五〇年一月二一日以降各完済に至るまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求め、原告竹夫及び原告ことゑにおいてそれぞれ金五五万円及びこれから弁護士費用金五万円を控除した残金五〇万円に対する前記訴状送達の翌日以降、右弁護士費用に対する前記昭和五〇年一月一二日以降各完済に至るまで前同様の遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容すべきであるが、その余の各請求は失当として棄却を免れない。

よつて、訴訟費用の負担について民事訴訟法八九条、九二条九三条を、仮執行の宣言について同法一九六条を各適用のうえ主文のとおり判決する。

(裁判官 篠原勝美)

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